医療従事者はやりがい搾取されていると気づくべき

思想、価値観
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超高齢化社会においていつでも高品質の医療を受けることのできる日本は非常に恵まれています。

ですがその医療を支える医療関係者は、これまでにないやりがい搾取の現状と戦っているのです。

私も医療従事者として働いていましたが、長時間の残業など変わらない働き方、上がらない給料など、求められる社会的役割に対して待遇は良いとは言えません。

そのため不満を抱えながら仕事を続けたり、短期間での離職や慢性的な人手不足の原因になっています。

そして日本人の気質もあいまって改善を訴えず、一向に待遇が改善されないのです。

 

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変わらない働き方

まず問題なのが医療職の働き方です。

救急や入院可能な病床がある病院の場合、年中無休24時間体制で稼働していますので日勤・準夜勤・夜勤や当直などに分担し24時間体制としています。

私の部署は日勤と夜間は当直1人体制でしたので、当直の日は日勤からそのまま当直で泊り、次の日の日勤を終えてようやく帰宅できるという感じでした。

もちろん当直ですから何もなければ寝ていいわけですが、そんな日は年に数回あるかないか程度です。

基本的に対応がありますし、呼び出しに対応するため熟睡などできたものではありません。

そんな環境で当直を担当し、翌日はそのまま日勤です。寝不足のままオペの対応など私が患者であればしてほしくないですが、これが当たり前になってしまっています。

 

これに追い打ちをかけたのが働き方改革で、残業扱いの当直業務は職場拘束時間は変わらずに実働時間のみが削られる結果となりました。

今までは当直の空いた時間に処理していた業務もできなくなり、日勤時にしわ寄せが来ますし、空いた時間は働いていないとはいえ眠れるほどの時間でもないというムダ時間が生まれています。

結果だけ見れば労働時間はそのままで給料が減った形になります。

 

これは個々の業務体制しだいでもありますが、これをしょうがないと思考停止し受け入れてしまっている人が大半です。

これでは何の改善も得られません。

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上がらない給料

病院はつぶれないと思われていますが、実際はなかなかに経営状況は厳しいものです。

一般的に医療職は安定していて収入もそこそこ良いと思われがちですが、実際は徹底したコストカットを行い赤字にならないように必死なのです。

そのため昇給があまり期待できず、新卒1年目では平均的な給料でも長く勤めるほど格差が大きくなってしまいます。

診療報酬の増加で病院の収益が改善しても、そのお金は設備投資に使うため医療従事者の基本給アップとはなかなかいかないのです。

私の病院では資格取得の奨励金がカットされてしまい、資格勉強のモチベーションが削られてしまいました。このままでは医療の質の低下もやむなしです。

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慢性的な人手不足

医療従事者は前述のように待遇面での不満を抱えている人が圧倒的に多いです。

それに伴う離職率の高さから慢性的な人手不足の状態であり、それが不満の原因となってまた離職するという悪循環が起こっています。

それでも自分が志した職業ですから手を抜いたりしませんが、こちらが身を削った分が具体的な報酬として返ってこないとしんどくなってくるものです。

これこそやりがい搾取であり、社会的役割を理由に不当な扱いを受けているとしか思えません。

やりがいだけでは生きていくことはできないのです。

 

また、自分の経験こそ正解と思っているお局的上司の存在も、やりがい搾取の原因となっているでしょう。

無駄に高圧的な新人指導やサビ残で仕事を覚えるべき・報われないことを耐えてこそ仕事、という古い考えをアップデートしないことには改善は期待できませんね。

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待遇改善には多大な労力が必要

さらに多くの人が待遇に不満を持っていたとしても、待遇改善には根気強く訴え続けることが必要です。

各部署から病院に向けて待遇改善を求めても良いですが、そもそもの病院に余力がないのでしょうがないとあきらめる人もいます。

看護師の場合、3Kと呼ばれていた時代にはストライキがあったようですが、今では日々の業務に追われてストを起こそうとする人も少ないでしょう。

そこまでして待遇を良くしようとしなくても、さっさと結婚して退職すればいいやという女性も多いですし、劣悪とまでいかない現状ではストライキは現実的でないのでしょうか。

それでも超高齢化社会を支えているのは医療職です。

人手不足を解消するためにも立ち上がるべきなのは明白です。

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使命感を悪用されないように

現状、待遇改善が進まないのは”それでも辞めずに働いてくれる人がいるから”でしょう。

毎年のように退職者が出ても一定数は我慢して働き続けます。

たとえ人手不足になっていても、残った人たちは使命感から業務体制を維持しようと頑張りますので、現場を知らない経営層からは現状で問題ないと判断されてしまいます。

我々の使命感を逆手に取られて、どうせ辞めないからこのまま放置となってしまうのです。

職員満足度調査が形だけになっており、満足度が低水準のまま改善されないのがいい証拠でしょう。

NOと言えない日本人と言われますが、病院のみならず日本の働き方はこういった働かせ方を変えないと、根本的な解決にはならないのではないでしょうか。

 

 

Life is only once. 全力を尽くしましょう!

 

 

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